妊娠前にできること
計画的な妊娠を
まずいちばん最初に気をつけてほしいことが、ボトックスで治療中の方は、計画的に妊娠してほしいということです。治療を始めるときに書いた同意書の中に「ボトックスの投与中および最終投与後の2回の月経を経るまでは避妊するようにして下さい。」との記載にもある通り、あとで不安にならないためにも必ず守って下さい。できれば、妊婦授乳婦専門薬剤師のいる病院で妊娠中の治療について相談しておきましょう。
他の内服薬(ジストニアの治療に関係するもの)に関しては、次回月経予定日までは飲んでいて大丈夫とほぼ言えます。個々の薬については、あらかじめ医師や薬剤師に確認しておきましょう。
薬によっては、月経が遅れた時点で中止すべきものもあるかもしれませんので、必ず確認しておきましょう。
薬に頼らなくてもできること
妊娠すると今使っている薬が使えなくなったり、減量しなければならなかったりすることもあります。薬以外でも、体調をコントロールする方法を見つけておきましょう。たとえば、管理人の場合はこんなことをしていました。
- 食べるものを工夫すること
- ヨガやピラティス(妊娠中は医師の許可が必要な場合あり)
- ハーブ(妊娠中に使えるかも要確認)
- サプリメント(これも妊娠中に使えるか要確認)
それがたとえ症状の改善には役立たなくても、妊娠中のあなたを精神的に助けてくれるからです。
妊娠と薬
妊娠の可能性が出てきた場合に考えなければいけないことは、今飲んでいる薬を続けるか否かということです。では、いつまでなら飲んでよいのか?
次回の月経予定日(受精後2週間)までは大丈夫です。
それまでの期間はAll or Noneの法則といって、薬の影響を受けにくく、もし受精卵に影響があった場合は妊娠が成り立たないか、ごく初期の段階で(自分自身が気がつかないうちに)流産してしまうからです。この時期を無事通り過ぎた受精卵はここまでの時期の薬の影響によって、奇形や障害を残したりすることはほとんどないと言われています。
月経が規則的でない場合は、基礎体温などをしっかりつけておくことをおすすめします。受精後18日頃から、薬によっては飲まない方がよいものも出てきます。
市販の妊娠検査薬は1週間たたないと検査できないと正確な判定ができませんが、最近は月経予定日から検査のできる感度の高いものもあるようです。そういったものを準備しておいてもいいですね。
妊娠中の薬については「妊娠中のすごし方」で後述します。
男性も気をつけて
ボトックスを使用している男性の方も、最終投与後の少なくとも3ヶ月は避妊が必要です(精子形成期間に投与されることを避けるため)。
それでも解決しないとき
妊娠と薬についての相談を行っている病院があります。妊娠の予定があるならば、妊娠前に相談しておく方が安心ですね。相談は保険がきかず有料になります。
- 国立成育医療センター・妊娠と薬情報センター
妊娠・授乳中の薬に関する情報も多数掲載されています。また相談を行っている病院のリストもあります。